インターネットが普及し、メールやウェブが広く使われるようになったのは、わずか10年ばかり前のこと。それは、コミュニケーションの世界のエポックメーキングな出来事となりました。
その後、ネットの世界のテクノロジーは急速に進化し、ソーシャルメディアの利用が広く普及するようになった今、リアルのコミュニケーションの方が、ネットのコミュニケ―ションよりも必ず優れているという思い込みや前提は崩れてきています。
個人の生活でも、ネットとリアルを目的に応じて使い分けたり、相乗効果を生む利用の仕方が一般的になってきました。
このような背景のもと、総務省が公表した「平成23年版 情報通信白書」でも、ソーシャルメディアの効用と可能性についての項目を設けています。その主なポイントをまとめておきたいと思います。
特に、「友人・知人の情報」「趣味・嗜好に関する情報」「ボランティア・社会活動に関する情報」「共有(シェア)・レンタルに関する情報」などにおいて、ソーシャルメディアが情報の重要な情報入手先とされていた。特にSNSが多くの情報で高い回答率であった。
ソーシャルメディアの利用により、絆を深めたと答えた人の割合は予想外に高まっている。「遠方の友人・知人との絆」を深めたとの回答が69.6%と最も高く、「学校の友人・知人との絆」「近くに住む友人・知人との絆」「年齢の離れた知人との絆」「家族・親戚の絆」が続いており、実社会での既存の知り合いとの絆をソーシャルメディアでの交流により深め、ソーシャルメディアが「オフラインコミュニケーションの補完」の効果を発揮していた。
ソーシャルメディア利用者の約4分の3がソーシャルメディアで知り合いを作り、その人数は「1~5人」が最大で31.4%にのぼる。
ソーシャルメディアの利用者の多くが「自分や家族の進学・就職・結婚・育児等の問題が解消した」、「自分や家族・親戚の健康上の不安・問題が解消した」、「老後のくらしに希望が持てるようになった」等身近な不安・問題の解決を実現していた。
白書では、地縁、血縁が薄れゆく中で、ソーシャルメディアが「オフラインコミュニケーションの補完」「ソーシャルメディアを契機とする新たなコミュニケーション」に効果を発揮していることに着目し、これからの社会において重要な役割をもつものだとしています。
また、ソーシャルメディアには多くの効用があり、多くの人は目的に応じた使い分けをしていること。人と人とを結びつけ、その絆を深め、現実社会における身近な不安や問題を解決し、人と人とが支え合うためのツールとしても活用されていることが確認できたとし、時間と場所の制約の無いソーシャルメディアの利用が、社会の中で孤立するおそれのある人が支え合いのネットワークを持つことにも寄与し、国民の幅広い層を包摂することが期待される、としています。
しかし、行政が、ここまでソーシャルメディアを評価するのは、ちょっと複雑な気持ちです。
社会保障の予算縮小の受け皿を、共生社会に求めて行きたいのはわかりますが・・・。
<リンク>
平成23年版 情報通信白書(総務省)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h23.html
その後、ネットの世界のテクノロジーは急速に進化し、ソーシャルメディアの利用が広く普及するようになった今、リアルのコミュニケーションの方が、ネットのコミュニケ―ションよりも必ず優れているという思い込みや前提は崩れてきています。
個人の生活でも、ネットとリアルを目的に応じて使い分けたり、相乗効果を生む利用の仕方が一般的になってきました。
このような背景のもと、総務省が公表した「平成23年版 情報通信白書」でも、ソーシャルメディアの効用と可能性についての項目を設けています。その主なポイントをまとめておきたいと思います。
調査の分析結果は、ソーシャルメディアをプラス評価。
白書の第2部、第3章第2節「ソーシャルメディアの可能性と課題」で、調査結果をもとにソーシャルメディアの利用状況がまとめられていますが、その主なポイントは、以下のようになっています。1.ソーシャルメディアは重要な情報源になっている。
ソーシャルメディア利用の目的で最も多かったのは、「情報を探すため」。特に、「友人・知人の情報」「趣味・嗜好に関する情報」「ボランティア・社会活動に関する情報」「共有(シェア)・レンタルに関する情報」などにおいて、ソーシャルメディアが情報の重要な情報入手先とされていた。特にSNSが多くの情報で高い回答率であった。
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(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年) |
2.ソーシャルメディアは、絆を深める。
「オフラインコミュニケーションの補完」、「ソーシャルメディアを契機とする新たなコミュニケーション」の何れにも、ソーシャルメディア利用の効用が認められる。ソーシャルメディアの利用により、絆を深めたと答えた人の割合は予想外に高まっている。「遠方の友人・知人との絆」を深めたとの回答が69.6%と最も高く、「学校の友人・知人との絆」「近くに住む友人・知人との絆」「年齢の離れた知人との絆」「家族・親戚の絆」が続いており、実社会での既存の知り合いとの絆をソーシャルメディアでの交流により深め、ソーシャルメディアが「オフラインコミュニケーションの補完」の効果を発揮していた。
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出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年) |
3.ソーシャルメディアは、出会いを生む。
ソーシャルメディアは、新たなコミュニケーションが生まれるきっかけとしても効果を発揮しており、「ネット上で出会った人との絆」が深まったとの回答は、64.3%あった。ソーシャルメディア利用者の約4分の3がソーシャルメディアで知り合いを作り、その人数は「1~5人」が最大で31.4%にのぼる。
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(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年) |
4.ソーシャルメディアは、問題解決に寄与している。
ソーシャルメディア上のコミュニティでの交流頻度と、ソーシャルメディアを利用して身近な不安・問題の解決や社会・地域コミュニティの問題解決をどの程度実現したかについて両者の関係を分析したところ、SNS、Twitter上のコミュニティでの交流頻度が高い人ほど、ソーシャルメディアを利用して身近な不安・問題の解決等を実現している度合いが高いとの結果が得られた。ソーシャルメディアの利用者の多くが「自分や家族の進学・就職・結婚・育児等の問題が解消した」、「自分や家族・親戚の健康上の不安・問題が解消した」、「老後のくらしに希望が持てるようになった」等身近な不安・問題の解決を実現していた。
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(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年) |
「共生型ネット社会」に、政府も期待?
上記のように、ソーシャルメディアの利用者は、利用を通じて既存の人間関係について絆を深めたり、様々な人とコミュニケーションをとったり、ソーシャルメディアによって初めて知り合った人と実際に会うなど、新たな人間関係について絆を深めています。白書では、地縁、血縁が薄れゆく中で、ソーシャルメディアが「オフラインコミュニケーションの補完」「ソーシャルメディアを契機とする新たなコミュニケーション」に効果を発揮していることに着目し、これからの社会において重要な役割をもつものだとしています。
また、ソーシャルメディアには多くの効用があり、多くの人は目的に応じた使い分けをしていること。人と人とを結びつけ、その絆を深め、現実社会における身近な不安や問題を解決し、人と人とが支え合うためのツールとしても活用されていることが確認できたとし、時間と場所の制約の無いソーシャルメディアの利用が、社会の中で孤立するおそれのある人が支え合いのネットワークを持つことにも寄与し、国民の幅広い層を包摂することが期待される、としています。
しかし、行政が、ここまでソーシャルメディアを評価するのは、ちょっと複雑な気持ちです。
社会保障の予算縮小の受け皿を、共生社会に求めて行きたいのはわかりますが・・・。
<リンク>
平成23年版 情報通信白書(総務省)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h23.html
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